夏の北アルプス「剱岳登山」(早月尾根日帰り)~1~
2013年7月21日(日)。
北陸地方はいまだ梅雨明けしていません。
今年の北アルプス遠征登山は、昨年から無性に登りたかった
名峰 剱岳へ!
ほんとは3連休に登りたかったのですが
悪天候であったのと
今年は雪解けが遅くて
滑落の危険がある雪渓がいくつか残っていたそうで
アイゼン、ピッケル必須!
雪山に慣れていない人は入山しないほうが良いという
早月小屋のご主人から言われました。
私は魚沼人なので雪山に慣れているのやら????
慣れていないのやらよくわかりません???
雪掘りはベテランです。
憧れと試練の山!
弘法大師が草鞋千足を費やしても登られなかったという伝説があるそだ。
新田次郎の小説「劔岳 点の記」は映画にもなってテレビで見たが、
測量官・柴崎芳太郎が初登頂した時に
奈良時代、平安時代のものとされる
錆て朽ちた鉄剣や焚き火の痕跡が発見され、古より修験道の霊山となっていたそうである。
知ったかぶりを言っているが
本を読むのは好まないし、
wikiにそう書いてあっただけだが。
昨年には三ノ窓と小窓雪渓が小規模ながらも日本で確認された初の氷河であると驚きのニュースもあった。
あんた・・・気でも狂っかたか・・・・
一般登山道としては最も危険度の高い山らしいぞ?
雪と岩の殿堂 剱岳・・・・
日帰りが唯一可能なコースは
富山県上市町、馬場島(ばんばじま)から登る早月尾根コースだけです。
馬場というのが・・・・
なんの関係もないが私と同じ名字だし!
早月尾根コースは標高差2200メートルを超える、
日帰り登山としては屈指のタイトなルートです。
諸先輩方のブログやヤマレコを参考にすると
けっこう日帰りをしている方が大勢います。
激急登のようですが、距離は片道8.3キロほど。
山と高原地図の参考コースタイムは登り9時間半!
往復15時間半。
まあ、魚沼三山 中ノ岳の上にあと標高600メートルの山がのっかった感じですかね?
頑張れば12時間もあれば往復できるのでは????
土曜日の3時過ぎ自宅を出発して
上越で夕飯&食料調達、名立谷浜から北陸道で滑川へ。
滑川インターから東へ県道51号とやらを通ってきたのだが・・・・
どんどん進むと
あれよあれよと道が細くなり・・・
これは県道じゃなくてどう見ても山の林道だろう・・・
という、車が一台がやっと通れるような道に迷い込んでしまいました。
Uターンも不可能なので途中でバックしたり、
ガタボコの砂利道だったり・・・・
今にも落石の危険がありそうなとても車道とは思えない道を通ってきてしまいました。
どうやら、普通は上市町から馬場島へ行ける道があるようです。
地図はちゃんと持ってきたのですが。
上の写真は剣橋から見たアーベントロートの剱岳。
ここから眺めても壮大な岩山が威圧感を放っている。
これほどの遠景でもえぐり取ったようなギザギザの山容。
魚沼にはこんなにギザギザな山はない。
すでに圧倒された。
あんな山にはたして登られるのだろうか?
7時20分過ぎにようやく登山口のある馬場島荘の駐車場へ到着。
220キロを超えるドライブであった。
公営の駐車場なので無料です。
馬場島の標高は750メートルしかありません。
しかし今夜はわりと涼しいです。
土曜日の夜ですが、余裕で駐車できました。
ここには40台くらいは駐車できそうです。
早月尾根コースは人気がないのですかね?
白馬岳登山口の猿倉あたりとは大違い。
トイレはここから少し登山口方向へ歩いたところにあります。
(電気も点きます、水洗だったような?)
キャンプ場ですので、夏休み中は混雑するのではないでしょうか?
この駐車場へ車を止められなかった場合は
もう少し下の方にも駐車場がひとつあります。
[tegaki]では、一人宴会をして・・・[/tegaki]
[tegaki]とっとと寝ます。[/tegaki]
明日はタケちゃんも一緒に登ります。
今回も男二人じゃ寝れないので
各々の車でということで
彼は午後8時半過ぎに到着。
この駐車場は電灯が煌々と点いていて明るすぎるので
少し上の登山口近くの路肩へ移動して就寝しました。
と・・・・
8時半すぎにヘッデンを点けて下山してきたグループが・・・・
[tegaki]なかなか、寝付けないなぁ~。・・・・・[/tegaki]
おまけに
[tegaki]車の中に蚊が侵入してきやがった![/tegaki]
しばし、蚊と格闘・・・・・・
と・・・・
10時をとうに過ぎた頃でしょうか
こんな時間に、下山してきたグループも・・・・
「お疲れ様。」
「日帰りですか? 何時間かかりました?」
「15時間・・・いや、16時間くらいかな・・・・・・」
と、細い声で・・・・
あきらかにバテています・・・
[tegaki]並の人だと、こんな感じなのだろうか???[/tegaki]
[tegaki]不安がよぎる・・・・・[/tegaki]
私たちは、至極普通の人ですし・・・・・
1時45分に目覚ましセット。
足にテープングを巻いたり、かるく食事をしたりと
準備をして3時から登る予定です。
3時はまだ真っ暗でした。
3時15分。
「試練と憧れ」の碑にて。
暗くて登山口がわからず・・・・
ウロウロと・・・・
登山口は碑の右側にありました。
3時20分。
ヘッデンを点けて登り始めます。
馬場島 標高750メートルから、剱岳2999メートルへ。
標高差2249メートル。
私にはまったく未知の領域です。
なんでも富士山を御殿場口から登るのが標高差2300メートル。
それに次いで標高差があるコースだそうです。
片道8.3キロと長くはないので、相当に過酷な急登を強いられます。
日本で一番キツイ日帰り登山コースかも知れません。
累積標高差は2500メートルくらいでしょうか?
[tegaki]別に無理して日帰りじゃなければ、楽なんですけどね・・・・・[/tegaki]
こんな時間から山登りをするのは初めてです。
山頂まで6時間くらいを予定しています。
早月小屋 2200メートルまで3時間半くらい。
6時半くらいにつけば余裕をもって山頂へ登れるので
こんな時間から登り始めました。
山頂に近い岩陵の登りがまったく想像できないので・・・・・
岩登り苦手だし・・・・・
諸先輩方のブログなどで見ましたが
標高200メートルごとにこのような案内標識があります。
200メートルを30分強ペースくらいで登ればいいですね。
前方にヘッデンの明かりが見えます。
先行者がいますね。
熊よけに笛を吹きながら歩いています。
松尾平というところでしょうか?
平坦な道がしばらく続きます。
立山杉の巨木。
ものずごく太くて立派です。
暗くてよく見えないのですが・・・・・
[tegaki]いたっ!!!![/tegaki]
なんとも久しぶりに見つけました。
ミヤマクワガタです。
子供の頃、とても人気のあったクワガタです。
ノコギリクワガタより圧倒的に希少でした。
小出には生息していなかったと思う。
深山にしかいないのでミヤマクワガタ。
今じゃあ、わけのわからん外国のクワガタやカブトムシが売られているが、
外来生物を好き勝手に持ち込んで困ったものです。
クワガタもカブトムシも買うものじゃなくて
自分で探して捕獲してこそ楽しいのにね。
ここのところ魚沼でも、平場ではあんまりクワガタを見つけなくなりました。
つい数年前は夜のジョギングでクワガタやカブトムシが電灯の下にいたのですがね。
1200メートル
標識の間隔、30分ちょっとなのでいいペースです。
暗いので自ずとゆったり小股な歩き方になります。
一定のペースで登りましょう。
私たちが先頭のような気がしますので
私も熊よけに笛を鳴らしたりしながら歩きます。
4時半くらいになりましたが
まだ明るくなりません。
クマはマズメ(朝ごはん)の活動的な時間になります。
4時半を過ぎてようやく夜明けのようです。
北に山が見えてきましたが???
過酷な冬に耐えたたくましい姿です。
南方向にも山が見えて来ましたが???
奥大日岳???
4時48分。
夜明けを迎えて
富山方面を振り返る。
富山湾、能登半島が見えます。
何でもボランティアの方が登山道に少しずつ土嚢を設置してくれているそうで
とても大変な作業でしょうが、なんともありがたいものです。
おかげさまで、たいへん歩きやすい登山道です。
5時・・・・・
[tegaki]あれっ????[/tegaki]
1400から10分ちょっとしか経過してないのですが?????
どうなっているのでしょうか?
[tegaki]もしかして???[/tegaki]
[tegaki]適当なの????[/tegaki]
まあ、気休めにはなります。
あれが大日岳ですかね?
モミジカラマツ
5時26分。
今度は大体いいのかな?
ツマトリソウ
明るくなったので、進路がよくわかるようになりました。
奥大日岳かな?
剣御前~浄土山~奥大日岳?
ゴゼンタチバナ
三角点があります。
小窓尾根
ギザギザのシルエットが奇妙なくらい峻険だ。
やはりその昔、氷河が岩を削り取ったのだろうか?
ミツバオウレン
登山道に雪渓が少しでてきました。
北アルプスといえば
キヌガサソウですね。
大きいです。
え~~と。
サンカヨウ。
小窓???
窓というのは切れ落ちた部分のことですか?
★懸垂氷食谷というらしいです。
垂直ほどにも深く切れ込んだ谷ということですね?
やはり氷河が切り取ったのですね。
いよいよ山頂らしきものが見えて来ました。
6時5分。
どうやら見えてきたのが山頂のようです。
異次元空間のような小窓尾根の峻険さに、目を奪われます。
あんなところを登るクラーマーがいるそうな・・・・・
やはり異様な山塊だ。
ようやく、下に早月小屋が見えました。
少し下って早月小屋です。
6時39分。
早月小屋へ到着です。
ほぼ予定通りですね。
これくらいの登りは、それほど疲れることもないのですが
今日は少し足に違和感があります。
寝不足で体調がよろしくないのでしょうか?
振り返る。
富山市方面は青空が広がってきた。
猫又山??
誰もいませんが・・・・・・
しばし、休息タイム&エネルギー補給。
タケちゃんも遅れることようやく到着。
早月小屋で大休止となりました。
50分も経過してしまいました。
後からきた人がどんどんと出立しますので
いい加減に、私達も出発です。
小屋の主人に
「あんまり、のんびりしていないで早めに登ったほうがいいぞっ!」
って言われました。
この日のために購入した真新しいクライミングヘルメットを装着して
7時半過ぎに早月小屋を後に!
ここまでで行程の2/3くらいはすでに登っています。
あと、2時間半あれば登頂できるでしょうか。
いやいや、実はこれからが本番なのです。
今までのは足慣らし程度・・・・・・
木の根っ子の階段を登ります。
????
??????
少し赤みがかったキヌガサソウ。
立山 室堂方面が見えて来ました。
急登は徐々に斜度を増していきます。
早月小屋を振り返る。
8時7分
標高2400メートルです。
あと600メートル登ればいいだけとなりました。
左手に見えてきたのは旭岳、白馬岳でしょうか?
ツマトリソウがたくさん咲いていました。
眼前に聳え立つ剱岳の全容が飛び込んできました。
迫力満点です。
室堂方面。
あちらは天気がいいようです。
室堂、地獄谷からモクモクと湯気が上がっているのが見えます。
さてと、いよいよキツイ登りになりそうです。
小窓の王?
大迫力に興奮気味。
シャクナゲがまだ咲いていました。
山頂に人が動いているのが目視できる距離まできました。
ここは登山道がでていましたが、
3連休のころはアイゼン&ピッケル必須だったところでしょうか?
落ちるとかなり下まで・・・・・
岩登りはじめっ!!!
?????
コケモモ????
ますます傾斜がキツくなる。
ザレバにガレた急坂で
ペースががくんと落ちる。
なかなか近くならない山頂。
8時50分。
急坂に激しくペースダウン。
立ち止まってしまうこともしばしば。
200メートル登上に40分ペースじゃあ無理になってきたな???
標高2600メートル。
まだ山頂まで1.6キロある。
じわりじわりと
剱岳 早月尾根の核心部へと近づいていく。
試練・・・憧れ・・・・
まだ時間的には余裕はあるので
急がず慌てず
安全第一をに慎重に行きましょう。
つづく・・・・・・
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どもです!
昨年から無性に登りたくて、今年は少しトレーニングしました。
ほんとは一泊でのんびり楽しみたい天下の剱岳ですが
泊まりの山行はできないので、日帰り強行軍になりました。
とてつもなく、キツかったけど、とても楽しかったです。
いまだに筋肉痛で~す(;´∀`)
19キロとは長い山道を歩きましたね。
どこへ行くのですか?
今度どこかのお山へご一緒しましょうね!
のんびりと。(^^)
とうとう行ってきましたね。剱岳!!(^o^)
タラコから電話で聞いていたので
ブログのアップを楽しみにしていました。
その日は自分も足慣らしを兼ねて、八木沢~清津峡~鹿飛橋~栄太郎峠のコースを廻っていました。(高低差約500m、歩行距離19.1km)
タラコに携帯入れても出ないんで、どっかの山にいってるな~とは思っていましたが・・・。
それにしても剱岳日帰りとはすごいですね!!
ブログのつづきを楽しみにしています。(^^)/(司)